『年末年始のごあいさつ』 2013 - 2014

年末のご挨拶(2013年末)

  • 孤独な鳥には、5つの特徴がある。

    第一に、できるだけ高く舞い上がる。

    第二に、たとえ同じ種とでさえ一緒に飛ぶことに耐えられない。

    第三に、くちばしを突き出す。

    第四に、特定の色をしていない。

    第五に、やさしく歌う。

    (サン・ファン・デ・ラ・クルス)

    2014年を目の前にして私は、
    とんでもない【当たり前】に気づいてしまっています。

    「未来は、言葉では語れない」

    このことに気づいてしまったのです。

    第二次世界大戦前に、
    イタリアの戦略家ドゥーエが飛行機を中心とした機動戦術を概念化しました。
    しかし、誰も彼の言っていることが、どういうことかわかりませんでした。
    今では子どもでも想像できる戦争の一般的な景色を、
    過去の人たちはまったく理解できなかったのです。
    私たちは実際に経験をしなければ、何もわからないのです。

    だから、私たちは、未来を語ることができないのです。

    しかし、私たちは今日まで、未来を言葉で語ってきました。
    私たちは、それができる幸福な時代を生きてきたのです。
    過去に、未来は『視界不良』とか『乱気流』という言葉で語られたことがありますが、
    それでも言語化が可能でした。

    しかし、来年の4月以降からは違います。
    私たちの目の前に飛行機の編隊が出現したように、【想定外】が連続します。
    最早、【想定外】が普通になる。そういう時代の扉が開きます。

    もちろん、言語化できることもあります。
    それも言語化できることは決して少なくはありません。
    ですから、言語化できることについては、具体的な対応を
    すぐに行っていく必要があります。
    そこで、カスタネダが、サン・ファン・デ・ラ・クルスの作として紹介した冒頭の詩を
    引用させていただきました(抽象的ですが、次の時代のための重要な詩です)。

    『やさしく歌う』
    素敵な言葉だと思います・・・・。

    今年も大変お世話になりました。
    また、次の「一年」がはじまります。
    『やさしく歌う』のは、とてもむずかしい課題です。
    なぜならば、私たちは、【やさしいの基準】が曖昧だからです。
    そして、未来の言語化が不能なのも、この【基準】の曖昧さにあります。
    だから、ひとり孤独に、【基準】を追求しなくてはいけません。
    そして、【基準】の追求の後に、新しい時代が開きます。

    来年もよろしくお願いします。

    2013年12月27日

    岡本吏郎

年始のご挨拶(2014年1月1日)

  • あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いします。

    今年のご挨拶は、
    年末に引用させていただいた一文を繰り返させていただこうと思います。

    孤独な鳥には、5つの特徴がある。

    第一に、できるだけ高く舞い上がる。

    第二に、たとえ同じ種とでさえ一緒に飛ぶことに耐えられない。

    第三に、くちばしを突き出す。

    第四に、特定の色をしていない。

    第五に、やさしく歌う。

    (サン・ファン・デ・ラ・クルス)

    カスタネダが、サン・ファン・ド・ラ・クルスの作として紹介した詩です。

    年末にお伝えしたように、言語化不能の未来がやってきます。
    だから、私たちは、高く舞い上がらないといけません。

    しかし、高く舞い上がるためには、2つのことが必要です。

    一つは、高さに応じた深さを目指さないといけません。
    そして、そのために、高さの【基準】を手に入れる必要があります。

    そのため、年末のご挨拶では、次のように書きました。

    「ひとり孤独に、【基準】を追求しなくてはいけない」

    では、孤独の先には、何があるのでしょうか?

    【基準】の水準を同じに定めた者たちの【共創】が起こると思います。

    私たちの世界は、私たちの持つ【基準】になるのです。

    そして、このことに気づいた者には、
    きっと素晴らしい素晴らしい一年になると思います。

    2014年1月1日

    岡本吏郎